暑い夏が終わり、草むらで耳をすませていると、さまざまな虫の鳴き声が聞こえてきます。

秋に鳴く虫にはいろいろありますが、今日はそのうちのひとつ、ヤブキリ(バッタ目キリギリス科)を見てみましょう。

ヤブキリのメスは腹部から産卵管がまっすぐに伸びる
ヤブキリのメスは腹部から産卵管がまっすぐに伸びる

名前はヤブにいるキリギリスという意味で、体長は5cmほど。
キリギリスに比べて後肢が短く、メスは腹部から産卵管がまっすぐに伸びています。
オスは秋になり気温が下がると、メスを呼ぶために
「シリリリリ・・・」
と鳴きます。

ヤブキリの鳴き声

聴けばいつのまにか寂しくなり、物思いにふける秋の音色・・・
虫たちの声は不思議ですね。

虫たちが鳴くのは、オスがメスを呼ぶためなのですが、その音色はまるで、めぐる季節のシンフォニーのようです。

ハルゼミはさわやかなプレリュード、
夏のセミはにぎやかなラプソディ、
秋の虫たちは少しせつないセレナーデです。

虫たちが奏でる季節の楽章に耳を傾けてみましょう。

(F)