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第2部 大地は生きている - 火山に寄せる思い

間山の溶岩流によって形成された景勝地、鬼押出しからほど近い六里ヶ原休憩所は、この日、高原野菜やソフトクリームを買い求める首都圏からの観光客でにぎわいをみせていた。
そこへ先ほどの研修を終えた一行が到着した。
これからここで「ジオヨガ」を体験するという。 ジオ(大地)の上で行うヨガだから「ジオヨガ」なのだという。

「雄大な浅間山を見ながらヨガを体験することで、心まで雄大になれたら」

ヨガを指導するAjyu(アジュ)さんはそう話す。

ジオヨガ(浅間山北麓ジオパーク構想)

眼前に迫力ある姿でそびえ立つ浅間山を臨み、そのふもとにはキャベツ畑や牧場、ゴルフ場、スキー場などが緑のじゅうたんのように広がる。
そんな開放的な景色を背景にして、参加者は思い思いの場所にマットを広げ、体と心を解きほぐしていく。
最後に全員で浅間山に向かって両手を合わせ、1時間のヨガ体験を締めくくった。

「大地は生きている」
「山から大きなエネルギーをもらった」

体験を終えた参加者から寄せられる感想にAjyuさんは、

「私も毎日浅間山を見て過ごしていますが、まったく同じ思いを感じています」

と応じる。

「この上には舞台溶岩と呼ばれる、溶岩流でできた台地があります。将来はこの舞台溶岩の上で『溶岩ヨガ』をやりたいですね」

こう話すのは嬬恋村地域おこし協力隊でジオパーク推進を担当する坂口さん。

「現在、舞台溶岩は一般の方の立ち入りが規制されていますが、ガイドが同行することを条件に、立ち入ることができるよう、関係先に働きかけています」

安全確保に注意を払いながらも、浅間山の地形を生かした地域活性化への期待をふくらませる。