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鹿沢にツマグロヒョウモン(タテハチョウ科)が飛来しました。

鹿沢に飛来したツマグロヒョウモン(♀)
鹿沢に飛来したツマグロヒョウモン(♀)

ツマグロヒョウモンは、アフリカやインドなど熱帯から亜熱帯にかけて多く生息するチョウです。
日本では南西諸島から東海地方にかけて分布し、1990年代まではこのチョウを関東地方で見かけることはほとんどありませんでした。

チョウは季節風や台風の風に乗って、フィリピンや台湾から移動してくることがあります。
鹿沢では9月17日に台風18号が接近し、強い風が吹きました。
このツマグロヒョウモンは、そのときの風に乗ってはるか南から鹿沢に迷い込んできたのでしょうか。

調べてみると、別の可能性が考えられるようです。

環境省生物多様性センターが2008年に始めた市民参加型の生きもの調査「いきものみっけ」では、ツマグロヒョウモンが関東地方で大量にみつかり、分布を北に広げていることがわかってきました。

専門家は、ツマグロヒョウモンが北上している要因として、

  • 冬場の気温上昇や、都市部でのヒートアイランド現象により越冬しやすくなった
  • 幼虫はパンジーなどスミレ科の植物を食べるため、パンジーの苗の流通に伴って、卵や幼虫が運ばれている

などが考えられるとしています。

鹿沢に近い田代気象観測所の年平均気温は、1978年から2016年の39年間で、0.6℃上昇しています。

田代(群馬県)の年平均気温
田代(群馬県)の年平均気温

その間、ツマグロヒョウモンは北へ分布を拡大する一方、中部山岳域から浅間山系に生息する高山蝶のミヤマシロチョウは、急激に個体数を減少させています。

ミヤマシロチョウ 絶滅の危機 昨年から確認されず

高山チョウの一種で長野県天然記念物のミヤマシロチョウが、八ケ岳連峰で生息を確認できなくなり、絶滅の恐れが高まっている。このチョウは明治時代に八ケ岳で初めて発見され、諏訪清陵高校(同県諏訪市)が1970年代に精力的に調査研究活動を展開した経緯がある。生息地は他に浅間山系などにも残っているが、地元で保護活動に携わる関係者は「最初の発見地・八ケ岳で確認できないのは非常に残念」と憂慮している。

毎日新聞 2017年5月7日

環境の変化に敏感に反応するチョウたち。
それはいったい、私たちの未来に何を暗示しているのでしょうか。

(F)

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